「忘れられる権利」認めず グーグル検索で東京高裁

インターネットの検索サイト「グーグル」の検索結果から、自身の逮捕歴に関する記事の削除を男性が求めた仮処分の保全抗告審で東京高裁は12日、削除を命じたさいたま地裁決定を取り消し、男性の申し立てを退けた。

 地裁決定は、ある程度期間が経過すれば犯罪歴を社会から「忘れられる権利」を、言葉として明示した国内初の司法判断として注目されていた。

 高裁の杉原則彦裁判長は決定理由で「法律で定められた権利ではなく、要件や効果も明確ではない」とし、プライバシー権などとは別の新たな権利として扱うべきではないと指摘した。

 男性は児童買春・ポルノ禁止法違反罪で罰金50万円の略式命令を受け、名前と住所を検索すると逮捕時の記事が表示される状態だった。

 さいたま地裁は昨年6月、「社会生活の平穏を害されない利益を侵害している」として削除を命じる仮処分を決定。グーグル側が不服を申し立てていた。

 今回の高裁決定は、プライバシー権の侵害など従来の判例に沿って検討。公開による社会の利益や男性が被る損害を総合的に考慮し「削除が認められる場合がある」とした上で、「児童買春は親たちにとって重大な関心事。事件から5年程度たっているが、公共性は失われていない。削除しないことで男性に限度を超す支障が生じるともいえない」と結論付けた。

 グーグル側は「知る権利と情報へのアクセスを尊重した判断と考えている」とコメントした。

 仮処分とは別に男性が削除を求めた訴訟は、さいたま地裁で係争中。(共同)
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