コンピューターグラフィックス(CG)で裸の女児を本物そっくりに描いて販売したとして、「児童買春・児童ポルノ禁止法」違反の罪に問われた判決が3月、東京地裁でありました。 三上孝浩裁判長は、起訴されたCG34点のうち3点が「児童ポルノ」に当たると認定し、懲役1年執行猶予3年、罰金30万円を言い渡しました。

【表】ジュニアアイドル写真集もアウト? 「改正児ポ法」で罰則適用

 児童買春・児童ポルノ法とは、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」の略称で、その法目的を児童の権利擁護としています。この法律では18才未満を「児童」と定義し、「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体などで、次のいずれかに掲げる児童の姿を視覚により認識することができる方法により描写したものとしています。

(1)児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
(2)他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
(3)衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

 今回の事件では、裁判官はどのような観点から児童ポルノと判断したのでしょうか? 担当弁護士のリンク総合法律事務所の山口貴士弁護士に聞きました。

「実在する児童」であるかどうか

――事件の争点は?

 まず、検察官がCGの元となったと主張する写真(画像)を提出しました。そして、この写真(画像)と制作したCGが同一か否かということが問題になっています。そこで、この写真に出てくる女性が実在しているか否か、その女性が18歳未満か否か、そして完成したCGが性的に興奮させるか否かということが大きな争点としてありました。

 検察官の主張は、それぞれのCGには描写する元になった素材(写真/画像)があって、それを収録した写真集や画像があるということで、女性も実在すると立証しています。

 さらに写真(画像)の女性が18歳未満であることを医師の証言で立証しようとしました。その上で、実在している18歳未満の女性の写真と描かれたCGがそれぞれ同一だとし、「だからCGは実在する18歳未満の女性を描写したものだ」というのが、検察官の基本的な立証構造です。

 これに対して裁判所はまず、「CGは『実際の児童』を見て描いたのではなく、『実在の児童写真』から描いた場合であっても、その写真を忠実に描いて写真で同一と判断できる場合は、そのCGは写真と同じと解すべき」だと言っています。

 そして、被写体全体の構図やCGの作成経緯や動機、作成方法を踏まえつつ、特に被写体の顔立ち、それから性器等(性器や乳首、胸部、臀部など)、児童の権利擁護の観点からも重要な部位について、「CGで描かれた児童の姿が、一般人から見て実在の児童を忠実に描写したと認識できる場合には、その実在の児童とCGで描かれた児童というのは同一性を有する」というふうに判断しています。

 ただ前提として重要なのは、児童は実在する児童でなければならず、例えば頭の中で架空の児童をファンタジーとして描き、それがリアリティのあるものであったとしても児童ポルノには該当しません。裁判所は児童の実在性を大前提にしています。
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