長野子供性被害条例 知事、冤罪の懸念一蹴 県会一般質問で論戦続く

2月定例県議会での子供を性被害から守るための条例制定をめぐる議論は、26日の一般質問でも行われ、藤岡義英議員(共産党県議団)が反対の立場から主張を展開した。「県は何年間も慎重に検討してきたというが、専門委員会のなかで行われた議論であり、県民との議論は始まったばかり。最低でも当事者である若者たち半数以上が理解できるまで、議論を深めるべきだ」と迫った。

 藤岡議員はまた、12月に行われた阿部守一知事と若者との意見交換会を報じる「罰則に賛否『教育充実を』」とする新聞の見出しなどを挙げ「条例制定に(参加者の)大半が賛成していない」と指摘。「条例がないために県内の子供の性被害が、他の都道府県に比べて多くなっているという客観的なデータはあるか」と問いかけた。

 阿部知事は、3年近くに及ぶ検討や意見交換の経過を説明。子供の性被害関連犯罪である福祉犯(児童買春・児童ポルノ禁止法や児童福祉法など)の摘発状況を挙げ「摘発人員は全国的にも増加傾向にあり、平成11年と26年の状況を比較すると全国では40・2%増。同時期の長野県は166・7%となっている現状がある」と指摘。全国比で長野県の子供が性被害犯罪に巻き込まれるペースが加速していることを説明し、条例制定の必要性が高まっていることに理解を求めた。

 また、最高裁判例をもとに条例骨子案の処罰規定に示す「威迫し、欺きもしくは困惑させ」との構成要件について、藤岡議員は「恋愛は困惑だ」として、捜査機関による拡大解釈の可能性を指摘。阿部知事は「次元が違うといった方が適切かもしれないが、条例骨子案は真摯(しんし)な恋愛でなければすべて罰則だ、という形にはなっていない」と述べ、冤罪(えんざい)の懸念を一蹴した。
http://www.sankei.com/region/news/160227/rgn1602270063-n1.html