少女の裸体の「CG画像」は児童ポルノなのか? 注目の裁判が1年4カ月ぶりに再開

50代の男性デザイナーがつくったCG画集が「児童ポルノ」にあたるとして、児童ポルノ禁止法違反(製造・提供)の罪に問われている事件の公判が10月6日、東京地裁(三上孝浩裁判長)であった。公判は1年4カ月ぶりに再開され、証拠調べと、捜査を担当した警察官の証人尋問が行われた。

裁判の最大の争点は、被告人男性の作ったCG画像が、違法な児童ポルノにあたるのかどうかだ。事件の争点・証拠整理をめぐって、検察側と弁護側の意見が合わず、2014年6月9日の第4回公判以降、非公開の話し合いが長く続いていた。

検察側の主張は、ひとことでいうと、「今回のCG画像は、児童ポルノである少女のヌード写真をもとにしてつくったもので、写真と同一視できるほど精緻なため、児童ポルノにあたる」というものだ。

一方、弁護側は「少女のヌード写真は作画の際に資料の一つとして参考にしただけ。被告人男性が作ったCG画像は、実在の児童の姿態を描写したものではなく、児童ポルノにはあたらない」などと主張している。山口貴士弁護士は「一つ一つのCGは、被告人が想像力を駆使して描いた絵画作品であり、『トレース』ではありません」としている。

●警察は押収したハードディスクを分析
検察側は6日の第5回公判で、今回のCGについて「少女から見れば写真と同じようなもの」「元の画像と差異がない」などとする首都大学東京の前田雅英教授(刑法)の意見書を提出した。また、被告人が今回利用したとする少女のヌード写真集を示し、モデル少女のプロフィールとして「小柄な12歳の女の子」などと記載されている点を指摘した。

また、証人として証言台に立った警察官は、被告人男性から押収したハードディスクの中に、被告人男性が作成したCG画集の素材(画像処理ソフトの作業用ファイル)を発見したと証言。さらに、その作業用ファイルの中に複数含まれるレイヤー(層)の一つとして、争点となっている少女のヌード写真が含まれていたと話した。

ただ、「作業用のファイルのレイヤー」に写真が含まれているからといって、その写真が完成品に直接反映されているとは限らない。弁護人の壇俊光弁護士によると、「被告人は直接使っていないと言っている」という。壇弁護士は証人尋問で「写真がそのまま利用された部分はあるのか」などと、警察官に問いただしていた。

●問題の「写真集」は80年代のもの
今回は「児童ポルノ」をめぐる事件だけあって、証拠物の取扱いは慎重に行われた。証拠提出された写真集を確認する際には、被告人と弁護人、検察官が弁護側席の一角に集まって、傍聴人に見えないような工夫がされていた。

なお、弁護人によると、今回問題となっている写真集は、1980年~1988年ごろに発刊されたもの。そのため弁護側は、被告人男性がCG画集を制作した時点や、児童ポルノ禁止法が施行された1999年時点では、モデルたちが「児童」ではなかったという指摘もしている。

公判は翌7日、翌々日の8日と3日連続で開かれる予定。弁護人によると、年内に結審し、判決は来春の見込みだという。
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